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ひずみ測定における誤差

ひずみ測定では電気的なホイートストンブリッジを介し非常に微小な電圧変化(μV)を扱うため、リード線による感度低下や温度影響、及びブリッジの絶縁に注意をはらい測定しなければなりません。ここでは基本的な項目について述べます。

1ゲージ2線式結線法でのリード線の温度影響

一般的に用いられている方法ですが、被測定母材に適用した自己温度補償ゲージを用いてもリード線の長さが長い場合はリード線の抵抗温度係数の影響で見かけひずみが発生します。 特に、静的長期測定においては十分注意する必要があります。

対策:1ゲージ3線式配線図へ

ゲージ率の補正

一般的なゲージ率/Kは公称:2.00 ですが、ゲージのパターンや抵抗素子材質により多少変わりますので測定器のゲージ率が固定(GF:2.00)の場合は、指示ひずみ/測定ひずみ(εo)から真のひずみ(ε)を次式で求めます。

ε=εo*2.00/K
K:使用ゲージのゲージ率

標準的なひずみゲージのゲージ率は、K:1.90〜2.10(公称/2.00に対して±5% の幅に相当)のため、応力/ひずみ測定で測定誤差が許容(±5%)できる場合は、一般的に補正せずに計測されています。

リード線の抵抗による感度低下

ひずみゲージをリード線で延長した場合の抵抗変化率はΔR/Rではなく、ΔR/(R+r) になり指示ひずみ(εo)と真のひずみ(ε)は次式で表される。

εo=ΔR/(R+r)*K
r:リード線の全抵抗(往復抵抗)

ε=ΔR/R*K から真のひずみ(ε)は、

ε=εo(1+r/R)

注1)3線式結線では片道の抵抗で補正します。
注2)当社標準のリード線付ゲージはリード線抵抗を含めた抵抗値及びゲージ率で表しておりますますので、特に感度補正の必要がありません。

ひずみゲージの貼付け方向による影響

主ひずみ(ε1)に対して角度θだけ傾いた方向の指示ひずみ(εo)は、平面応力状態では

εo=[(ε1+ε2)+(ε1−ε2)cos2θ]/2 で表します。

また、1軸応力状況のもとでは、ε2=−νε1(ν:ポアソン比)から、ε1=1 として

εo=[(1−ν)+(1+ν)cos2θ]/2

ν=0.3 とすると
εo=(0.7+1.3cos2θ)/2 となります。

例)主応力方向に対して角度5゜傾いて貼付けた場合は、εo=0.99 となり約1%感度が低下します。

ホイートストンブリッジの非直線性(大ひずみ測定の場合の注意事項)

大ひずみを1ゲージ法で計測するとブリッジ回路の非直線性から誤差が生じ、次式で真のひずみを求めることができます。

ε=εo/(1−εo)
ε:真のひずみ
εo:指示計の指示ひずみ

絶縁抵抗の影響

ひずみ計測を行う場合の絶縁抵抗は500MΩ以上が求められます。 例えば、絶縁抵抗が10MΩ程度で不安定な場合はブリッジの1辺に並列に入りその抵抗値が安定しないことになり、10MΩの変動幅では約6με(120Ωブリッジ)の見かけひずみが出力されることになります。 この値は一般の計測ではあまり問題にならないひずみレベルですが、温度・湿度の変化で更に大きく変動することになりますので注意が必要です。

ひずみ測定回路と誤差の影響<1ゲージ法2線式結線>

2線式結線の場合、図からわかるように往復のリード線抵抗がひずみゲージ抵抗に直列に入ります。このリード線の抵抗値(r)は 、

r=ρ*l/s
ρ:銅の抵抗率(1.8×10^-6 Ω cm)
l:リード線の往復の長さ
s:リード線の断面積

この抵抗による初期平衡の変化εlは

εl=r/(*Rg)
εl:リード線による初期値の変化
K:ゲージ率(一般/G.F=2.00)
Rg:ゲージ抵抗

この値が計測器の平衡範囲をこえる場合は 図の様に1辺に抵抗を並列に入れて補正します。この抵抗値(rp)は、

rp≒Rg/(K*εl)

また、リード線が長くなるとリード線の温度によるみかけひずみが無視できなくなります。 この見掛けひずみ(εr)は 、

εr=r*α*t/[K*(Rg+r)]
α:銅の抵抗温度係数(3.9×10^-3/℃)
t:温度変化
εr:リード線の温度による見掛けひずみ

となります。

ひずみ測定回路と誤差の影響<1ゲージ法3線式結線>

2線結線ではリード線の影響が大きいためリード線が長く且つ断面積が小さいリード線の場合は、1ゲージ法では3線式結線を用います。 3線式結線の場合は図からわかるようにリード線の抵抗分(r/2)がゲージだけでなく、隣の辺にも入りリード線の温度による抵抗変化によるみかけひずみは打ち消されます。この為にはブリッジの2辺に入るリード線は断面積、長さ、種類を同一のものを使用し、また直射日光にさらされる環境下では被服の色も同じものがベターです。 尚、リード線による出力低下は影響されるリード線が片道だけとなるため2線結線の場合の半分の低下となります。

ひずみ測定回路と誤差の影響<2ゲージ法4線結線>

図からわかるようにブリッジの隣の辺に同様にリード線が入ります。 このリード線が断面積、長さ、種類が同一の場合はリード線の温度によるみかけひずみは打ち消され出力の低下は1ゲージ法2線式結線と同じになります。

ひずみ測定回路と誤差の影響<2ゲージ法3線結線>

この方式はみかけひずみに影響するリード線長が4線結線に比べ半分になります。4線結線に比べさらに良い結果がえられます。 出力の低下もリード線が半分になるので4線結線の半分になります。

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